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破戒 (2022):映画短評

破戒 (2022)

2022年7月8日公開 119分

破戒
(C) 全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
斉藤 博昭

名作を実直に。だから感動も誠実。テーマは現代にもアピール

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

原作を忠実に映画化した印象で、ゆえに書かれた時代の部落差別問題が、生活者の目線で伝わってくる真摯な作り。真摯だからこそ、差別の根深さに衝撃を受ける。そして100年以上経った現在、この作品のテーマに強烈に打ちのめされるのは、人間というものは理不尽な差別をする「本能」を備えている……と思い知らされるから。名作は時代を選ばない好例。このように時を超えての映画化に大きな意味を感じる。

そんな風に冷静に観続けていても、何ヶ所か涙腺が刺激される演出があり、人によっては涙が止まらなくなる可能性も。

町並みや自然の風景など、明治の時代が丁寧に再現され、子役を含めて俳優たちも総じて誠実な演技を心がけている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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