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ブレット・トレイン (2022):映画短評

ブレット・トレイン (2022)

2022年9月1日公開 126分

ブレット・トレイン

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

くれい響

奇妙なニッポンが楽しめる、お祭り映画

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

タランティーノ監督作の影響を受けた原作「マリアビートル」だったが、脚色されて主人公になった不運な殺し屋をブラッド・ピットが演じていることもあり、ガイ・リッチー監督作のような雰囲気が漂う。伊坂原作の魅力である会話劇としての面白さは欠けるが、さまざまなアクション・シークエンスで畳みかける作風は、良くも悪くもデヴィッド・リーチ監督作。日本ロケができなかった事情からトンデモ臭がマシマシになるなか、まさかの麻倉未稀の「ヒーロー」に高まるなど、奇妙な化学反応も楽しめる。『ザ・ロストシティ』繋がりの小ネタなど、全米公開時の『新幹線大爆破』と同タイトルに相応しい、お祭り映画といえるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

ようこそ!摩訶不思議なカン違いジャパンの世界へ!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 不運続きの殺し屋がブリーフケースを盗むという簡単な仕事を引き受け、東京発京都行の新幹線に乗ったところ、なぜか偶然にも乗り合わせた9人の殺し屋に次々と襲われる。舞台は日本だがロサンゼルスで撮影されていることもあってか、タランティーノの『キル・ビル』を彷彿とさせる摩訶不思議なカン違いジャパンが炸裂!時間軸を行き来しながらテンポ良く展開するクレイジーなストーリーテリングはガイ・リッチー風だ。とりあえず、スクリーンに向かってヤンヤと突っ込みながら楽しむのが吉。それにしても、「ヤクザ」「ハイテク」「アニメ」と、ハリウッドから見る日本のイメージって20年前から全く変わってないのね。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

超高速! 爆笑! デヴィッド・リーチ監督の得意技が炸裂

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 超高速! 痛快! そして爆笑! このテイストは『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ監督のものだろう。映像のスピードとリズム感、強烈な色彩、肉弾激突のインパクト、と、リーチ監督の得意技が炸裂。疾走する列車という閉鎖空間で複数の人物たちがある物を奪い合う、という大枠はあくまでもシンプルにしておいて、人気俳優が演じる登場人物全員のキャラは濃スギに設定、そこに時間をちょっと遡ったり、かなり遡ったりする時制の演出を掛け合わせて、飽きさせない。

 中でも最高なのはギャグのセンス。少々バッドなテイストもあり、定石通りをちょーっとハズしてみせたりもして、ここにそれを持ってくるかぁ、とのけぞらせてくれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

娯楽密度みっしり

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

伊坂幸太郎の小説が海を渡り、どうなることかと思いましたが、見始めてしまえばただただ楽しんでしまいました。やはり鉄道という舞台と映画の相性は良いですね。ポストタランティーノというべき映画で、ボヤキながらも闘い続けるブラッド・ピットがとても楽しそうです。デヴィッド・リーチ監督なんでアクションパートは結構容赦がなくて、その思い切りの良さもまた魅力です。入り組んだドラマのさばき方など、リーチ監督の巧さも感じました。トンデモニッポンな描写もあるのですが、これはたぶん意図的でしょうね。キャストは皆良いですが、やはり、真田広之がバリバリのアクションを見せてくれて頼もしかったです。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

“なんちゃって日本”の光景も高速の勢い、温かい目で楽しめた

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

伊坂幸太郎の原作を、そのまま日本を舞台に再現し、出てくるキャラの設定や基本ストーリーもかなり忠実ながら、豪快でド派手、ノンストップのノリに変換した、いい意味での能天気さが楽しい。小道具や背景は、海外目線イメージの“ありえなさ”と、妙にリアルな描写のブレンドで、われわれ日本人もポジティブに感応するのは『キル・ビル』以上かも。原作自体、かなり突飛な展開なので、これくらいのアレンジが的確か。大きな謎があるわけではなく「読んでから観る」方が、アレンジに感心するような。
原作では「お兄ちゃん」な雰囲気の役に、間もなく還暦のブラピの違和感なさは奇跡的。3年前のスタントマン役を彷彿のキレキレバトルに惚れる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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