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手 (2022):映画短評

(2022)

2022年9月16日公開 99分

手
(C) 2022 日活

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

むしろ女性に見て欲しい爽やかなロマンポルノ

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 甘え上手な妹ばかり可愛がる父親とギクシャクした関係のヒロインは、その父親と同年代くらいの年上男性ばかりと付き合っている。なぜオジサンは若い女が好きなのか、なぜオジサンは厚かましいのか、なぜオジサンは腹が出ているのか。下心を隠しているつもりで隠せないダメダメなオジサンたちを「可愛い」と表現する彼女だが、しかしそれは恋愛感情とはまた別の何かだ。そんなヒロインが同世代の若い男と付き合い始めたことから、自分自身の中の問題と折り合いをつけていく。ロマンポルノといっても性描写はあっさり控えめ。フェミニズム的な視点を織り交ぜつつ、迷える女性の葛藤と成長を素朴なタッチで描いた爽やかな口当たりが魅力だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ダメ男を愛し、ロマンチストな松居監督の本領発揮

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

枯れ専女子が同世代の男とも付き合い始めたことで変わっていくなか、彼女を「お姉ちゃん」と呼ぶ父親との複雑な関係が見えてくる。愛すべきダメ男たちの生態描写はもちろん、ふいにわき上がる寂しさや切なさなど、ロマンチストな松居大悟監督の本領発揮。また、小気味良い男女の会話劇としても楽しめ、「ロマンポルノ・ナウ」の一編とはいえ、エロ描写“も”ある青春物語といった仕上がり。しかも、ちょっといい話にまとめているところにも、松居監督の職人技を感じる。繊細で不器用なヒロインを演じる福永朱梨の堂々たる座長っぷりはもちろん、姉と性格は違えど、仲良しな妹を演じる大渕夏子の瑞々しさにも注目だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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