ムガリッツ (2024):映画短評
多様な文化を一皿に込めて
カメラに映るモノすべてが美しく、穏やかで、尊い時間が流れているためつい忘れがちだが、「ムガリッツ」のあるバスク地方は内戦で文化を奪われ、最近までテロが日常にあった街だ。その忌まわしき過去を食で一新し、多様な価値観を持った人たちがテーブルを囲んで語り合う、平和的な空間を作りあげてきた。その筆頭が「ムガリッツ」だが、前衛的すぎて遂に納豆にまで手を出し、茨城県民的にも「やめとけ」と言いたくなるほど。ゆえに時に賛否も呼ぶが、一方でココチャやバカラオといった地元の食文化の継承も忘れない。地元にしっかり根を張り、食を探求しまくったからこそ、歌舞くことができる食のエンタメ。”異端の名店”の真髄を見たり。
この短評にはネタバレを含んでいます




















