落下音 (2025):映画短評
場所に、人々の記憶が沈澱していく
美しく、恐ろしい。映像は、セピア色に褪色した古い写真のような、柔らかくざらついた手触りの夢幻的な美しさだが、そこで起きていることはおぞましい。
舞台は、ドイツの北方の田舎の家。同じ家で、4つの時代に起きた出来事が、その時代にそこにいた少女の視点で描かれるのだが、少女たちは幼いので何が起きているのか理解できず、ただそれを見て、何かの気配を感じ取る。観客は、彼女たちの見たものから、起きていることを少しづつ推測していき、戦慄することになる。
同じ場所に、層をなして重なっている記憶。そこに沈澱している、感情の残滓。静かな詩情がゆっくりと滲み出してくる。
この短評にはネタバレを含んでいます






















