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闇金ウシジマくん Part2 (2014):映画短評

闇金ウシジマくん Part2 (2014)

2014年5月16日公開 133分

闇金ウシジマくん Part2
(C) 2014真鍋昌平・小学館 / 映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

森 直人

山口雅俊ワーク、ひとつの到達点か

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

まず脚色に唸る。最初期のハードコアな名編「ヤンキーくん」(原作コミックス2~3巻)に加え、元々はカウカウファイナンス社員・高田の過去を描いた「ホストくん」(21~22巻)を別キャラのエピソードとして再構成。転落の要因を愛に飢えた若者達の“承認欲求”に置き、ぎりぎりの光を付与する。前作の成果を踏まえ、一般映画で出来る『闇金ウシジマくん』とは何か?とのお題が考え抜かれている。

ボリューミーな大群像劇はイニャリトゥやアルトマンのプログラムピクチャー的応用とも言えるだろう。『ナニワ金融道』『カイジ』『スマグラー』などを手掛け、本シリーズを仕切るプロデューサーの山口雅俊が監督としての力量を見せつけた。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

まるで「怪獣大戦争」、いや「オール怪獣大進撃」か?

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

暴走する逆恨み男・菅田将暉、恐怖の変態ストーカー・柳楽優弥、実質のない野望に身悶える窪田正孝、安いチンピラがいま一番似合う中尾明慶、妙に歪んだ存在感で空気を変える門脇麦、そしてこんなに狂ったキャラだっけ?な高橋メアリージュン(本作一番のめっけもの)……今の映画・TV界を牛耳る錚々たる面々が、そろって心にぽっかり空いた漆黒の暗闇をさらけ出し、ぶっ壊れた演技を競い合うのだから面白くないワケがない。コイツらにひとりで対峙する山田孝之の怪獣王っぷりも前作以上、この混沌を捌ききる山口雅俊の演出力も見事なものだ。反面教師的道徳映画の側面も大きくなったが、そのぶん毒気も増したのでちょうど塩梅いい感じ。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

愚かな人間の末路は前作以上に容赦なし!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 原作およびテレビ版は未見。闇金業者をダークヒーローのように描いている点(結果的にそう見えてしまう部分もあるが)は多少の違和感を覚えるし、登場人物の大半も不愉快な連中ばかりだが、それでもなおスクリーンから目が離せないのは、極端にデフォルメされた人間の醜さに少なからず心当たりがあるからかもしれない。
 劇場版1作目では最後にささやかな希望を残したが、今回は全く容赦なし。金に踊らされ、金に振り回される浅はかな人々が、文字通り堕ちる所まで堕ちていく。登場人物のキャラ立ちもパワーアップ。「そこのみにて光輝く」とは逆方向に突き抜けた菅田将暉も出色だが、高橋メアリージュンの凶暴凶悪ぶりがまた恐れ入る。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

キテる若手俳優陣が怪優・山田孝之を一斉攻撃!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ヒロインに大島優子を起用しても、ヘヴィな展開で原作ファンも納得させた「映画版Part1」だが、今回はキテる若手俳優陣がストーリーだけでなく演技力でも、ウジジマ=山田孝之を一斉に潰しにかかる状況がスゴい。すれ違うだけで緊張感みなぎる菅田将暉と窪田正孝に、『愛の渦』以上に堕ちていく門脇麦、柳楽優弥VS山田の新旧『クローズ』対決も実現! そんな最大の危機ゆえ、「ドラマ版Season2」では個人プレイから結束崩壊の兆しを見せた「カウカウファイナンス」の面々も追い込まれ、『ヒーローショー』を思い起こさせる無軌道なヴァイオレンスが展開。文句なく面白いが、前作以上に胸クソ悪くなること間違いなし。

この短評にはネタバレを含んでいます
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