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ジェミニマン (2019):映画短評

ジェミニマン (2019)

2019年10月25日公開 117分

ジェミニマン
(C) 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 2.9

ミルクマン斉藤

ヴァン・ダム映画みたいな話やなアン・リーさん。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

確かにアン・リーは今まで新しい技術に多大な関心を寄せ、その度にそれなりの成果を上げてきた監督だが、こんなに安っぽい題材では流石に腕の振るいようがない、って感じ。似た例ながらも全く出来が異なるものに、僕が大いに評価する『ハルク』があって、やはり今回も「父殺し」のギリシャ悲劇的なテーマも見て取れるのだが、そのような厳粛さはまったくなし。まあ、ウィル・スミスのキャラクターが相変わらず軽すぎるのだけれど。アクションの見せ場もトレイラーで披露してるところがほぼクライマックスというのはあまりに芸がないではないか。上映環境にも因ると思うが、3DHFRでこのカッティングでは目に多大な負担を強いるのも難点。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

この設定ながら、アホになりきれず

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ツイン・ドラゴン』に『ダブル・インパクト』、『ザ・ワン』と、「じつはジョン・ウー監督案件じゃなかったのか?」と疑ってしまうほどの香港映画的既視感アリな設定。にも関わらず、Wウィル・スミスの出会いまでをジラシしすぎなのだ。コロンビアのバイク・チェイスで、やっと加速がついたと思いきや、泣かせるヒューマンドラマに突入するなど、その流れとバランスがとにかく微妙。つまり、先の3本のようにアホになりきれてないのだ。『アフター・アース』に続き、ヤバさを感じさせる“ウィルの二世代SF”だが、新しモノ好きアン・リー監督による、3D-in HFRを体感する実験作として観るのがベターだろう。

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斉藤 博昭

新感覚の映像は、演技の印象も変えている気がした

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

今作が初めて届ける「3D+in HFR」のフォーマットは、明らかに過去のどんな映像とも違い、限定スクリーンながら体験する価値はある。肉眼よりも「クリスタルクリア」なのだから! ただ試行錯誤の段階のようで、背景とのフォーカスの差異が要らぬ合成感を出したり、屋内シーンは昔のTVドラマのスタジオ撮影のような印象も与える。その不思議な効果に加え、ドラマ部分はアップが多用されるせいもあり、俳優たちの演技が妙に軽く見えてしまうのだ。
若きウィルのオールCGの違和感のなさ。コロンビア、カルタヘナの目にも鮮やかな街並でのバイクチェイスなど、あちこちに斬新な見どころは発見でき、とにかく目で楽しませるのは確実。

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なかざわひでゆき

従来の3Dとは次元の異なるリアルな立体感

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 年齢を重ねることで自らの職務に疑問を抱き、引退を考え始めた政府機関のベテラン凄腕ヒットマンが、倫理よりも合理性を優先する組織の陰謀工作に巻き込まれて命を狙われるわけだが、その追手として差し向けられたのが自分のクローンである若者だった…というSF版『メカニック』。フルCGで描かれたヤング版ウィル・スミスの完成度もさることながら、やはり最大の見どころは3D-in HFRという上映方式だろう。従来の3Dとは次元が異なるほどのリアルな立体感に驚かされるが、その一方で毎秒120フレームで撮影された映像は明らかに「映画」と異なる質感なので、そこは賛否が大きく分かれるはずだ。

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相馬 学

スリル&ヒューマニズムより、まずは映像体験!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 クローンと人権を題材にしたSF作品は珍しくないが、肝心なのは未来と現在の社会性のバランス。『シックス・デイ』の荒っぽさと『わたしを離さないで』の上品さの中間に、アン・リー監督は着地点を見出したようだ。

 中年ウィル・スミスと若いウィル・スミスの猛バトルは後に意外なドラマに発展。人間性の描写の一方で、アクションは激しく、徹底してスピーディだ。

 正直、そのバランスが取れているのかは微妙。それでも、ハイフレームのビジュアルは、これまでの映画とはまったく異なるクリアな映像体験で目を引く。高度なCG映像も注目すべきものがある。それに乗れたならば、一気に楽しんでしまえるだろう。

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平沢 薫

映像の質感が映画とはまったく違う新しさ

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 通常の映画は1秒24コマのところ、本作はその2.5倍の1秒60コマの3Dでも上映。この映像の質感は、映画とはまるで違う。コマ数の多い作品では、「ホビット」の48コマの3Dもあったが、あの映像ともまた感触が違う。これはもう映画とは別モノなので、映画と比較することに意味はなく、ただ新しい何かとして体験するべきだろう。
 映像面の驚きは多々あるが、もっとも印象的なのは、実写版「ライオンキング」の動物同様、CGIで描かれたクローンの顔。ウィル・スミス演じる主人公の30歳若いクローンという設定だが、顔の皮膚の質感も細かな表情も、もはや人間との違いが分からない。この技術がこれから何を描くのか興味深い。

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村松 健太郎

スター映画のお手本

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

実は主演作品の公開は久しぶりのウィル・スミス最新作。大スター俳優の一人二役映画は時として、そのことだけに注力するばかりに、作品が微妙なこともあるのですが、これはちゃんと面白いスター主演娯楽アクションでした。基本的にウィル・スミスという人は現在のドル箱スターとしての立ち位置も含めて、等身大の物語よりSF的な企画が合う人だと思います。
新規格の3Dプラス イン ハイ・フレーム・レートは明るい3Dと言うべきガラッと変わる映像環境を与えてくれます。できればこの条件に見合った劇場で見ていただきたいところです。ウィル・スミスの若返り方も不自然さはなくて楽しめます。

この短評にはネタバレを含んでいます
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