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グッド・ボーイズ (2019):映画短評

グッド・ボーイズ (2019)

2020年6月12日公開 90分

グッド・ボーイズ
(C) Universal Pictures

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

斉藤 博昭

ふつうに楽しくて、大人に「あの頃」を思い出させる裏技もニクい

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

基本は、悪ガキたちのイタズラ大作戦。女子との初キスにすべてを懸け、大人の世界にドキドキする。冷静に考えたらどうでもいいことが人生最大のピンチに感じられ、その場しのぎの対処法…と、全体に予想どおりの展開。それゆえに素直に楽しみながら観ていられる、サンプル的な佳作。
そんな軽妙なノリの中で、大人の観客だからこそわかる、あの頃の友情の大切さを伝えるシーンが「さりげなく」挿入され、妙に胸が締めつけられる。しかしそこを変に引っ張らない匙加減が巧妙だ。
『ルーム』『ワンダー 君は太陽』とシリアス路線で泣かせてきたジェイコブくん。今回は、おちゃらけた名演で惹きつけ、この子役の計り知れないキャパに平伏すのみ。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

子供時代の友情は特別だと思い出させてくれる

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

タイトルどおり、この3人の少年たちは、とても良い子。そして、6年生という年齢ならではの純真さがある。そこが今作の最大の魅力であり、「アメリカンパイ」からセス・ローゲン映画まで数多く作られてきたお下劣コメディ(それらもそれらなりに良いのだけれども)との違い。この3人の子役は本当にかわいらしく、この子たちだからこそ、ギリギリ90分引っ張れるかどうかの薄いストーリーを持たせることができたと言える。もちろん、子供たちからそれだけのものを引き出したのはフィルムメーカーの力量だ。子供時代の友情は特別で、大人になってから同じような関係を築くのは易しくないということもまた、思い出させてくれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

肝心のキャストが観れない“小6版『スーパーバッド』”

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

一言で言えば、セス・ローゲンら『スーパーバッド 童貞ウォーズ』の製作チームが13年後に放った“小6映画”。『スーパーバッド』同様、パーティに誘われ有頂天の3人組が初キスを目指す珍道中から、仲間との別れを描く流れは、下ネタ&ドラッグネタ満載の『スタンド・バイ・ミー』で、“未知なるモノとの遭遇”という意味ではネタにもなってる「ストレンジャー・シングス」だろう。思いのほか、展開がリズミカルでないのは悔やまれるが、しっかり笑いを獲れるジェイコブ・トレンブレイの芸達者っぷりは圧巻。なにより、R指定(日本ではPG13)のため、当の本人たちが完成版を観れていないというエピソードが笑える!

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

爆笑あるある大会の中に胸を打つ瞬間が

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 小さい頃から仲良しの男子3人組が6年生になり、初めてのハウスパーティのためにあれこれ背伸びしてしまって、どんどんとんでもない事態に。しかも製作陣はアニメ「ソーセージ・パーティ」の面々なので下ネタ満載。あの年頃の男子あるあるの苦笑大会も楽しいが、それだけではないのがミソ。それまで一緒にいるのが楽しかった友人たちが、成長するうちに、それぞれ興味の対象が変わり、必ずしもいつも一緒にいたいわけではないことに気づく。そんな誰もが体験する自我の目覚め、自分と他人とが同じでないという発見が、仲良し3人組にもやってくるのだ。爆笑大会の中にふと出現するその切なさが、この映画を忘れがたいものにしている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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