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地獄の花園 (2021) 映画短評

2021年5月21日公開 102分

地獄の花園
(C) 2021『地獄の花園』製作委員会

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.4

中山 治美

スッキリしない日々はオラオラ系が効く

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

昨年の『今日から俺は!!劇場版』が奮闘したように、煮え切らない日々が続く中で見るヤンキー映画は一服の清涼剤のごとし。腕力で白黒ハッキリする分かりやすさ。「架空OL日記」が象徴するように女性にあらぬ幻想を抱かず、しかし組織で生き抜くために派閥を作ってマウンティングしがちな人間の本質を突いたバカリズム脚本の鋭利さ。その脚本を得て、水を得た魚のようにイキイキと暴れる俳優陣の輝き。そして突き抜けたバカバカしさは、娯楽としての映画の楽しさを改めて味合わせてくれるに違いない。映画ファン的には『ベスト・キッド』や『リメインズ 美しき勇者たち』オマージュ?がツボ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

色気では勝負しねえんだよ!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 何の予備知識もなく接し、バカバカしいと思いつつも、気づけば夢中になっていた。

 OLとヤンキーという相容れない要素のギャップ。“社会人ならケンカしてないで働けよ”…というツッコミが、やがて“やれ!やれ!”に変わる奇妙なカタルシス。それぞれに個性を発揮した出演者たちの振り切れ具合。これらがユーモアというグルーヴをなして突き進む、そんな展開に乗せられる。

 面白いのは、これだけの魅力的な女優をそろえながら、色気を封じた点。遠藤憲一のガーター脚が、もっともセクシーだったかも!? ジェンダーうんぬんの解釈も成り立ちそうだが、まずはこのバカバカしくもアッパーな世界観を味わってほしい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

実録ヤンキーOL日記

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ダイナミックな喧嘩シーン後、何もなかったように、社内でどうでもいい日常会話が展開。そんな緩急のギャップが笑いを誘うように、「架空OL日記」に『クローズZERO』を始めとするヤンキー漫画の世界観をプラス。永野芽郁演じるヒロインも「ヤンキー漫画みたいな……」とツッコミながらも、抗争にどんどん巻き込まれていく。知る人ぞ知る元ヤンで知られるバカリズムだから成立できた世界観であり、『翔んで埼玉』路線を狙ったフジテレビ映画としてのバカバカしさも感じられる。とはいえ、小池栄子らキャスティングだけである程度の展開が読めてしまうほか、後半にかけての失速感は否めず。もうひと捻りほしかった感アリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

パンドラの匣再び

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

「架空OL日記」でパンドラの匣を開けて見せたバカリズムがさらなる深みに観客を誘導します。
もはや言ったもん勝ちの世界観ですが、演者が誰一人手を抜かず振り切っているので楽しめます。
相変わらずのオフィス事情あるあるに加えて、昨今のヤンキー映画あるあるもぶち込んでくるバカリズム脚本。
彼のパロディ感覚は対象から程よく距離感を保っていて、適度に醒めた目線がキープされているので、逆にしっくりと来る部分があります。
絶対にない世界観なのに、ものすごい親近感を感じさせる作品に仕上がっています。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

日本の文化風習がギュッと凝縮されて爆笑苦笑

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 部外者にはのどかな姿しか見せないOLたちが、実はそこに所属する者にしか見えない別世界を形成してそこで生きている、という設定だけですでに批評性たっぷり。この状況が日本の"会社"や"学校"と呼ばれる各種集団生活によくあることはご存じの通り。その"別世界"が『仁義なき戦い』的な親分子分関係と派閥争いの世界なのも、"会社"で男性社員たちが生きる別世界も同じタイプであることを思うと、痛快さ倍増。その一方、登場人物が「マンガだったらこうなる」という指針で行動するのは当世っぽく、昭和の熱血マンガの感受性がパロディ風ではなく描かれたりもする。"OL"という和製英語に日本の文化風習をギュッと凝縮させて刺激的。

この短評にはネタバレを含んでいます
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