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サバカン SABAKAN (2022):映画短評

サバカン SABAKAN (2022)

2022年8月19日公開 96分

サバカン SABAKAN
(C) 2022 SABAKAN Film Partners

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

平沢 薫

小学5年生男子の夏、青空がまぶしい

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 夏の海、夏の空の青さがまぶしい。小学5年生の男子2人のひと夏の思い出。この年頃の男子ならではだろう、ただ一緒にいると楽しいという、純粋な感情。ただ一緒に何かやりたいから行われる、無謀な冒険。この年頃らしく、バス停で見かけた女子高生に心をときめかせたりもする。ささいな行き違いから、気まずい関係になったりもする。いろんなことが起きるが、2人が一緒に走り出せば、そんなことはどうでもよくなる。
 男の子2人を演じる俳優は、どちらも映画初出演。監督の金沢知樹はお笑い芸人、構成作家、脚本家を経て、映画監督に初挑戦。そんなさまざまな”初めて"ならではの、勢いとすがすがしさが弾けている。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

素朴で爽やかな味わいの日本版「スタンド・バイ・ミー」

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 1986年の夏休み、長崎県の漁村に暮らす平凡な小学生の少年・久ちゃんは、貧しい母子家庭ゆえにクラスでバカにされる同級生・竹ちゃんに誘われ、イルカを見るために沖合の島へ冒険の旅に出かける。人生に行き詰まった売れない作家が、生涯忘れられないひと夏の想い出を振り返る…という筋書きは、さながら日本版『スタンド・バイ・ミー』。金沢知樹監督自身の少年時代をモデルにしたストーリーは、甘酸っぱさとほろ苦さの中に少年たちの友情と成長を丹念に描き込み、なんとも言えぬ素朴で爽やかな味わいを醸し出す。これぞまさしく小品佳作。子役たちの粗削りだけど素直な芝居がまたとてもいい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

郷愁誘う“日本版『スタンド・バイ・ミー』”

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

草なぎ剛演じるノスタルジーに浸る物書きに、彼が少年時代に体験した“あるモノ”を探す冒険、そして行く手を阻むヤンキーなど、まさに“日本版『スタンド・バイ・ミー』”(舞台も製作年である1986年!)。ただ、本作の面白いところは、友情が深まる冒険で終わらないところであり、タイトルである「サバカン」の謎も明らかになる。斉藤由貴とAXIAのカセットテープ、キン消しも出てくる、2つの家庭を描いた静かで緩やかな映画ではあるが、草なぎの抒情的なモノローグに加え、尾野真千子が主人公の母親を演じていることで、映画として俄然引き締まる。小学校の映画会で観た良質な夏休み映画の匂いがする一本でもある。

この短評にはネタバレを含んでいます
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