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古の王子と3つの花 (2022):映画短評

古の王子と3つの花 (2022)

2023年7月21日公開 83分

古の王子と3つの花
(C) 2022 Nord-Ouest Films-StudioO - Les Productions du Ch'timi - Musee du Louvre - Artemis Productions

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

ミルクマン斉藤

いかにもミシェル・オスロなオムニバス。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

エキゾティックな異文化を、自らが属する西洋文化と出会わせることで独自な作品世界を作り上げてきたM.オスロだが、本作もまたそう。古代スーダン、中世オーベルニュ、18世紀モロッコという三つの時代の恋物語を、いつものように明晰な色彩と輪郭線、精緻極まる背景のもとに描いたいわばオムニバス・メルヘンである。不満を言えばお伽話の域を出るものではなく、千夜一夜物語のようなエロティシズムが加わればもっと艶っぽく魅力的になっただろうに。しかしエピソードごとにエジプト風の横構図で、また人物のみ影絵で描くなど、それぞれに凝った美術設計が成されているのはやはり魅力的。クラシカルな組曲を思わせるオーケストラ音楽もいい。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

色と形で陶酔させる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 これもまた、アニメの悦楽。色彩と形象で陶酔させる。その色と形の美学に没入できるように、ストーリーは昔ながらのおとぎ話の様式になっている。

 さらに本作は、3話オムニバス形式で3つの異なる世界が楽しめるのが魅力。ミッシェル・オスロ監督はこれまでも『キリクと魔女』ではアフリカ紋様、『アズールとアスマール』ではアラビア紋様と、世界各地の文化を踏まえたデザインをモチーフにしてきたが、今回の3話の舞台はそれぞれ、古代エジプト、古い森のある中世フランスのオーベルニュ地方、18世紀モロッコの王宮。その土地の古典紋様や建造物を踏まえた形象に、オスロ監督の色彩が新たな息吹を吹き込む。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

1話目は冷静に、2話目に陶酔し、3話目で溺れるマジック

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

タイトルから察するように3つの物語で構成されるが(各物語の前に「みんなで聞きましょう」的に誘うパートも)、正直、1話目はストーリーに入りこみづらい。しかし人物が影絵のように黒く描かれる2話目で、本物の人間のシルエットにしか見えない影絵が、怒りや悲しみ、喜びを表現してしまうアニメゆえのマジックにひたすら陶酔。野生児と化す王子の心情に激しく感情移入させられた。そうなると3話目も物語にすんなり溶け込み(実際、わかりやすい)、2話目と対照的なカラフルを極めた色使いの世界に、ロマンティックに耽溺。オスロ監督らしく、2Dだからこそ伝えられるキャラクターの繊細な感情で、初めて絵本をめくる子供の気分にさせる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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