MERCY/マーシー AI裁判 (2026):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.3
リアルタイムサスペンスの進化系
AI裁判という近しい未来にあるかもしれないものを描いたいサスペンス。監督ティムール・ベクマンベトフが直接メガホンを取るというのはすこし久々な感じですが、本作はその監督作品群より、プロデューサーを務めた『search/サーチ』シリーズを想起させる映画となっていました。凄まじい量の映像が次々と現れるあたりはすこし画面酔いをしてしまうほどでしたので、ラージフォーマットで見るとどうなるか気になるところです。クリス・プラットとレベッカ・ファーガソンの二人はほとんど動きのない芝居となりましたがそれでもちゃんと見せ切る辺りはスター性を感じます。
記録映像xタイムリミットでリアルな緊縛感が倍増
主人公が自身の殺人容疑を晴らすため真犯人を探す謎解きミステリーは、手法が見どころ。ティムール・ベクマンベトフ監督が製作を務めた『アンフレンデッド』『serch/サーチ』で用いた、SNSの動画や監視カメラ映像などの記録映像で物語を構成する"スクリーンライフ"様式をさらにその先に推し進める。2029年、AIが判事を務める裁判の被告はあらゆるデータにアクセス可能という設定で、記録映像に加えて通話記録や銀行口座などのデータもドラマの要素になる。
さらに、判決決定までに残された時間は90分というタイムリミットを設定、映画がその90分間をほぼリアルタイムで描くという演出で、緊迫感とスピード感が増幅。
裁判官がAIになる未来。そのアイデアは現実味アリ
「人は嘘をつく」と劇中でAIが指摘するように、客観的で冷静な判断が必要とされる裁判官をAIが担う設定は、近未来の風景としてはリアル。
被告の無実証明に与えられるのが90分で、映画もその時間をほぼリアルタイムで進行。SNSや監視カメラ、極秘データ、裁判所外で同時進行する捜査も含め、あまりに膨大な情報に、映画を観ているこちらも飲み込まれていく感覚。AIの処理スピードを味わってるようで、これは狙いどおりか。
AIが人間と同じ感情を持つかどうかもキーポイントだが、もしそれが現実になれば、さらに人間には脅威になるだろうと背筋も凍る。そこも作り手の狙い?
物語のまとめ方は急ぎすぎていて、後味はライトかも。





















