ヌーヴェルヴァーグ (2025):映画短評
ライター4人の平均評価: 4.5
文化の歴史が永遠に変わった瞬間を目撃
映画への愛、若さの躍動、喜びに満ちた作品。1959年のパリを再現、全編フランス語で字幕付きにし、あえて画像の粗いフィルムに収め、観客をタイムトリップさせる。キャスティングも抜群。ゴダール役とベルモンド役に抜擢された俳優ふたりに対し、リンクレイターは「伝説の人物だということを意識しないで」と注文したそうだが、実際、当時のゴダールは巨匠とはほど遠い、客観的に見れば“なんちゃって監督”だったのだ。こうやって裏側事情を見ることで、「勝手にしやがれ」がよりわかる。リンクレイターがブロードウェイミュージカル劇の知られざる歴史的瞬間についての「ブルームーン」とこれを立て続けに作ったのも興味深い。
ウォン・カーウァイも憧れた、自由すぎるゴダール演出
前作『ブルームーン』で魅せた円熟味を増した演出に感心すると同時に「さすがに老けたか!」と思わせたリチャード・リンクレイター監督だが、ハッパとタバコの違いはあるものの、『スラッカー』『バッド・チューニング』の頃のわちゃわちゃした青春群像劇がまさかの復活! 冒頭からの映画人そっくりさん数珠繋ぎ大会も、メインとなる“妄想『勝手にしやがれ』制作裏話”も、有無を言わせぬ面白さ。そして、まだ何者でもなかったゴダールによる自由すぎる演出術。これを観れば、ポスト香港ニューウェーブの申し子だったウォン・カーウァイ監督がいかに彼に憧れ、マネをしていることが良く分かるだろう。
あの時代の興奮と高揚まで鮮やかに蘇る!
時は1959年、「カイエ・デュ・シネマ」の批評家仲間が次々と映画監督デビューする中、ひと足遅れで処女作『勝手にしやがれ』の撮影に挑むジャン=リュック・ゴダールとその同志たちを描くリンクレイター最新作。いやあ、実に楽しい!ゴダールにトリュフォーにシャブロルにベルモンドにセバーグにと、ヌーヴェルヴァーグを彩った偉人たちの繰り広げる活き活きとした人間模様にワクワク!そればかりか、世界各地で若手映像作家による新たな映画運動が盛り上がった、あの時代の興奮と高揚を鮮やかに捉えた青春群像としても秀逸だ。スタンダードサイズの35ミリフィルムで再現された古い映画の質感が、一層のことノスタルジーを盛り上げる。
ヤバすぎる“新人監督ゴダール“とその仲間たちが行く!
めっちゃ楽しい。1959年、若き映画青年たちがフランスとアメリカの往復運動(これぞヌーヴェルヴァーグ!)の只中で火花を散らす。その姿をリンクレイターが陽だまりの青春として軽やかに開いてみせるのが痛快だ。ゴダール/トリュフォー/シャブロルにスザンヌ・シフマンが並ぶ冒頭からグッときた。巨大な神話の内実を適切に再配置し、等身大の呼吸へと引き寄せる宣言になっている。
何よりリンクレイター節全開のハングアウト映画の快活さが魅力の肝。『エヴリバディ・ウォンツ・サム!』のように若者たちがただ集い、うろつく時間が祝祭に変わる。『グッバイ・ゴダール!』とは決定的に異なる絶妙な距離感。明るい解放感が心地よい。












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