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ミッドウェイ (2019) 映画短評

2020年9月11日公開 138分

ミッドウェイ
Midway (C) 2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.2

なかざわひでゆき

正確性を期して日米海戦史を描いた点は評価できる

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 日本海軍による真珠湾攻撃を起点に、太平洋戦争における日米の命運を分けたミッドウェイ海戦へ至るまでの過程を、日本と同じ枢軸国側だったドイツ人のローランド・エメリッヒが描いた戦争スペクタクル。アメリカだけでなく日本の視点もそれなりにちゃんと取り入れ、史実に沿った正確性を期しているという点においては、過去の’76年版『ミッドウェイ』や『パール・ハーバー』に比べて大きな進歩と言えるかもしれない。ただ、その一方で客観性や公平性に比重を置くことで物語の核となるはずの「人間」がおざなりとなり、全体的に焦点の定まらない日米海戦史ダイジェストになってしまった感も否めない。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

英雄になることを選べない人々をも描き出す

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 戦艦vs戦闘機、戦闘機vs戦闘機のバトルシーンは「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」など巨大スケールのアクション大作が得意なローランド・エメリッヒ監督らしさ満載。ビジュアル映えするド派手な演出を重視するのも、この監督の持ち味。
 大作戦争映画の王道通り、人気スターたちが豪華共演して異なる立場の人物を演じる群像ドラマになっているが、それらの人々の中に、完璧なヒーローはいない。むしろ、戦争の中で"恐怖"を抱いてしまう人物を何人も登場させている。「戻れても戻れなくてもいい」と思って行動していた人物も、部下を得て「みんなで一緒に帰りたい」と思うようになる。そういう人々を描くところが現代的。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

あくまでもアメリカ視点のミッドウェイ海戦

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

日本軍が劣勢となる原因だったミッドウェイ海戦を豪華スターで再現している。もちろんエメリッヒ監督好みのスペクタクルな特撮映像も迫力ありだ。浅野忠信やトヨエツも頑張ってるし、それぞれ見せ場も用意されている。とはいえアメリカ視点なので、大日本帝国海軍の描写は甘く、一丸となって「勝ち」にきたアメリカ海軍やドッグファイトの描き方とは天地の差アリ! 以前にも描かれた史実ものなのでデジャブ感は否めず、「飛龍」艦長の最期の覚悟にもノレず。本筋とはあまり関係のない、中国マーケットを意識したドゥーリトル中佐の不時着やジョン・フォード監督がJ・ミリアスもどきの映画屋ぶりを発揮する場面が印象に残った。 

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

このアプローチは正しい。だからこそ不思議な感覚に包まれる

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

ミッドウェイ海戦で、上空5000mから急降下する戦闘機の翼に据え付けたカメラのリアル映像を見たエメリッヒは大興奮。「ぜひとも自分で再現するぜ」とノリノリな気分と、これまでのパニック大作での実績が合体し、戦闘シーンの縦横無尽スペクタクル感には恐れ入るばかり。ゲーム映像のような軽さとも無縁。ビジュアルとして戦争映画のアップデートを達成した。日本側メインの『硫黄島からの手紙』とも違い、ハリウッドが敵国との視点を半々近くにして、しかも日本人俳優たちの演技も本格的。「公平さ」への気配りが今っぽいし、日本人にとって違和感も少ない。映画としては正しい作り。公平な分、どこに視線を持って行くべきか戸惑うかも。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ここでもエメリッヒの『スター・ウォーズ』愛がダダ漏れ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

ドイツ人監督としての落とし前として、エメリッヒがミッドウェイ海戦を『インデペンデンス・デイ』的解釈で描いただけに、『パール・ハーバー』に比べれば、硬派な作りであり、日本語など際立ったトンデモ描写もなく、かなりの本気度を伺える。さすがのスペクタクルな戦闘シーンに関しても、デス・スター破壊など、ときどき大好きな『スター・ウォーズ』入ってしまうのもご愛敬だが、とにかくスクリーン映えする。とはいえ、やはり日本軍の視点が薄味なうえ、ボナ・フィルムが出資していることもあって、パイロットが東京大空襲後に遭遇する中国での余談かつ強引なエピソードが目立ってしまったのも事実。

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相馬 学

エモさ控えめ、でもズッシリ! エメリッヒ、戦争を撮る

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 この監督だから大味な戦争映画になるのではないか……という不安もあったが、いやいや、これは嬉しい誤算。

 太平洋戦争開戦前からの時系列をたどり、米国も日本も、誰も悪役にすることなく、自分の仕事をやり遂げようとする軍人たちの生き方をとらえる。一方で、デジタル映像を真に近づけるエメリッヒならではのスペクタクルも健在だ。

 「戦争を描くドイツ人として、責任があった」とエメリッヒは語るが、戦場で散った命に敬意を表する姿勢に基づき、エモさよりも客観性を重視したことが功を奏した。豊川悦司、浅野忠信ら日本人アクターたちの毅然とした演技も味。

この短評にはネタバレを含んでいます
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