KEEPER/キーパー (2025):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.3
シュールな悪夢から、社会の病みが見えてくる
この1年半で、3本目のO・パーキンス監督作。『ロングレッグス』とも『THE MONKEY』とも異なるタイプのホラーであることに驚かされる。
超自然の要素こそ共通するが、それをシュールな現象としてとらえ、多くを説明しないのがミソ。血まみれの女性たちなどのイメージショットも多く、森の中の神秘性やキャビン内の暗闇などの映像とともに鮮烈な印象を残す。そういう意味では実験的で野心的な作品。
監督によると本作は“有害な男らしさ”や“家父長制”という問題に言及したとのこと。現代の病巣を悪夢的ファンタジーに落とし込んだ点で、7月公開の邦画『氷血』に通じるものがあり、見比べるのも一興。
これぞ、インディーズ精神!
カナダで「THE MONKEY/ザ・モンキー」の撮影をしようとしていたところにハリウッドのストライキが起き、その間もクルーが仕事できるよう、何もないところからカナダ人の脚本家に急遽書かせて作り上げた映画。ストーリーは撮りながらできていったという、超ゲリラ的制作。その究極のインディーズ精神に大拍手。そんな状況でも、何も起こらない前半から緊張させ、ラストは派手に怖がらせる、娯楽性たっぷりのホラー映画を完成させた。予算の理由もあるが、一軒の家という密室ならではの設定も十分活かされている。医師で性格も優しい男性が独身なんて、「何かあるんじゃないかと思ったら」というところにリアリティもあり。
今回も"突然の衝撃"がやってくる
都会を離れて森の別荘を訪れた女性の周囲で、静かな怪異が続く。川の水面の揺らぎが、バスタブのお湯に繋がる。蜂蜜がガラス瓶に満ちていく。オズグッド・パーキンス監督の直近2作『THE MONKEY/ザ・モンキー』『ロングレッグス』のブラックコメディ色が今回は薄いのは、脚本が監督自身ではないからか。とはいえ"突然の衝撃"がヴィジュアルでやってくるところは共通。
主演はマーベルドラマ「シーハルク:ザ・アトーニー」主演のタチアナ・マズラニー。彼女はこの監督の前作『THE MONKEY/ザ・モンキー』と本作に続いて、次回作『The Young People』にも出演。この監督の常連俳優になりつつある。





















