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劇場を戦場に変える音!音!音!

2017年9月10日 中山 治美 ダンケルク ★★★★★ ★★★★★

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ダンケルク

塚本晋也監督『野火』同様、敵はほぼ写らず。
主観映像で捉えた戦争映画だ。
だが臨場感溢れる音が、敵の存在を確かに感じさせてくれる。
迫り来る戦闘機のプロペラ音。
どこからともなく飛んでくる銃弾。
嫌な予感しかしない、一瞬の静寂。
耳鳴りのように残るこれらの音が、ここから一刻も早く逃れたいとする主人公たちの心情と共鳴する。
一方で、これは国民性か、
戦場から生きて帰ってきた人を恥と蔑んだ史実を知るだけに、”史上最大の撤退作戦”に複雑な心境を抱く人も多いだろう。
約40万人の命を救うという英断を下したリーダーの姿を見ながら、多くの犠牲を生んだ自国の歴史を振り返らずにはいられないのだ。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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