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観終えたあとも、いつまでもリフレインされる

2021年7月14日 轟 夕起夫 17歳の瞳に映る世界 ★★★★★ ★★★★★

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17歳の瞳に映る世界

主人公は高校の文化祭のステージで、(「Tell Him」で有名な)The Excitersの「He's Got the Power」(63)をギター1本で歌う。明るくアップテンポなこの曲を彼女は、(中島みゆきのようにメランコリックに)自己アレンジして。と、そこに「男子」生徒からのヤジが──人物の個性と映画全体の輪郭が、見事に提示される冒頭数分。

監督のエリザ・ヒットマンはロベール・ブレッソンの傑作『抵抗』(56)を参照したそうだが、なるほど、印象的な様々な“手の表情”が心に刻まれる(ある場面での握り合う手!)。原題の、素っ気ない官僚的な言葉の深さが観終えたあとも、いつまでもリフレインされる。

轟 夕起夫

轟 夕起夫

略歴:文筆稼業。1963年東京都生まれ。「キネマ旬報」「映画秘宝」「クイック・ジャパン」「DVD&ブルーレイでーた」「QJweb」などで執筆中。近著(編著・執筆協力)に、『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』(スペースシャワーブックス)、『寅さん語録』(ぴあ)、『冒険監督』(ぱる出版)など。

近況:またもやボチボチと。よろしくお願いいたします。

サイト: https://todorokiyukio.net

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