略歴: 脳梗塞で死にかけ、今は杖片手に早めの余生。一応映画文筆屋。Web中心に村松健太郎の名前で書いてます。どうぞごひいきに。
近況: お一人でも映画館に行こうという気持ちになっていただけるように精一杯やらせていただきます。
サイト: https://www.instagram.com/kentaroumuramatsu_osonerampo/?hl=ja
久しぶりに突き放されて終わる映画でした。いつの頃から伏線や描写は回収されるものということが決まりごとの様になっていましたが、こういう映画もあっていいんだよなと改めて思わせてくれる一本でした。
全編に渡って映し出される自然の雄大さ、美しさが非常に映えて見えて、その分、そこに登場する人間の小ささ、行いの些末さを感じさせる形になっています。見た人同士でいろいろと意見交換がしたくなる一本です。
現在の大河ドラマを含めてこれまでの映像化作品ではすでに完成された安倍晴明が描かれてきましたが、今回は若々しい安倍晴明が登場します。夢枕獏の小説を基にしているので相棒として源博雅が登場します。これを演じるのが染谷将太。山?賢人演じる若々しい超人・安倍晴明と染谷将太演じる楽人・源博雅の並びは意外なほどにはまりました、今回はタイトル通り”エピソード0”なので”はじまりの物語”で終わっているので、できる事ならこのコンビで”続き”が見たいなと思います。監督が佐藤嗣麻子監督なので外連味たっぷりのアクション活劇でした。
2022年のバズ・ラーマン監督の『エルヴィス』の裏面というか、別角度からの物語といった感じの映画。ソフィア・コッポラ監督の実話モノというのも珍しい感じがしますね。物語は『エルヴィス』でも描かれた事柄もありますが、視点が変わるとここまで物語が変わるのか!?と改めて映画というメディアの可能性に関心してしまいました。14歳で世界的なスーパースターと恋に落ちてしまうという、常人には計り知れない経験を追体験できることができます。エルヴィスに関してはこちらの方が似ていると思います。
ジェイソン・ライトマンが仕切る”正統ネクストジェネレーション”第2弾。前作でオリジナルへのリスペクトとファンサービスは済ませているので、今回は大きく舵を切って家族とティーンエイジャーの成長譚になりました。思えば即興的な笑いが中心のシリーズだったので、こういうドラマ性が盛り込まれるのはなかなか新鮮です。舞台がお膝元のニューヨークになっているのも当たり前と言えば当たり前ですがしっくりきます。もちろん顔を出してくれるオリジナルの面々も楽しそうにしてるので嬉しくなります。そしてあのレイ・パーカー・ジュニアのメイン―マーはやはり偉大です。
二つの時代の二つの恋を生きる一人の男の物語。山田智和監督は本作が初長編ということで、若干ちぐはぐな部分もあり、もう少し上映時間を増やして説明的でも良かったのかなと思う部分もありましたが、演者の熱演と海外ロケも行った画の強さで物語を引っ張っていきます。メインキャストの3人中では、特に複雑な心情を抱えたキャラクターを演じた長澤まさみの演技が心に残りました。写真が大きなキーアイテムとなっているため時折ハッとするような美しい画面が出てくるのが印象的です。なので音はともかく画についてはかなり環境の良い劇場で見ることをお薦めします。