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ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから (2019):映画短評

ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから (2019)

2021年5月7日公開 118分

ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから
(C) 2018 / ZAZI FILMS - MARS CINEMA - MARS FILMS - CHAPKA FILMS - FRANCE 3 CINEMA - C8 FILMS

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

なかざわひでゆき

ありがちなコンセプトを上手く料理したラブコメ・ファンタジー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 高校生の時に一目惚れした女性とめでたく結婚し、ピアニストとしてのキャリアを犠牲にしてまで支えてくれた彼女のおかげで有名作家となったものの、すっかり天狗になってしまった自己中男。ある朝目覚めると、自分はしがない独身の中学教師で妻は華やかな別世界に暮らす有名ピアニスト…つまり、高校時代に彼女と出会わなかった別の人生に迷い込んでしまう。なんとか元の世界に戻ろうと試行錯誤する主人公のドタバタぶりを笑いつつ、むしろ今のままの方が彼女は幸せなのかも…?と気付いてしまう辺りの切なさなんかも絶妙。ありがちなコンセプトを実に上手いこと料理している。お祖母ちゃん役は『顔のない眼』のエディット・スコブ!

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

“好き”もいいけど、じっくり育てて“愛”にすべし!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

結婚10年目を迎えた若夫婦の立場が逆転したら?という前提がユニークな、パラレルワールド的ラブストーリー。作家として成功した夫の無関心に心を痛める妻のwhat if(もしも?)や、勝手に夫婦が盤石と思い込んでいた夫の焦りが見える形でドラマ化されているので、恋愛と結婚の違いがよくわかる。恋を愛に昇華させるには努力が必要なのだな〜(多分)。妻役のJ・ジャピと夫役のF・シビルにはカップルとしてのリアリティがあり、立場が変わっても惹かれあうように見えるのがとてもチャーミング。そしてコメディ部分を担うB・ラヴェルネがいい味を出している。主人公の間抜けっぽい親友だが、恋の名アシストを披露する彼に拍手!

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

フランス版「知ってるワイフ」?

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

「あの人に出会わなかったら、俺の人生はどうなっていたのだろう?」という、男目線で語られるフランス版「知ってるワイフ」。『あしたは最高のはじまり』のユーゴ・ジェラン監督作だけに、ある事件を機に人生を見直すハートウォーミングな作品ではあるが、あそこまで意地が悪い感じでもない。違う意味での男女のすれ違いを描いた『パリのどこかで、あなたと』同様、パリの情景がもうひとつの主役だが、とりあえずメガネ姿もキュートなピアニストを演じるジョセフィーヌ・ジャピが引っ張ってくれる。それに加えて、シューベルトの「セレナード」をはじめ、クラシックの使い方が功を奏しており、そこに助けられた感もアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

“if もしも…”の世界で考える幸福論

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

ハリウッドライクな仏製のロマコメ。どこかで狂った運命の歯車を巡って人生(観)の見直しとやり直しが展開する。『恋はデジャ・ブ』(93年)や『アバウト・タイム』(13年)などを彷彿させるが、むしろ我々に近しいのは『未来の想い出』など“大人向け"の藤子Fイズムか。イノセンスを失った男が大切なものを取り戻そうとするSF(すこし・ふしぎ)なお話。ただし仕掛けはタイムループならぬパラレルワールドだ。

シューベルトの「セレナーデ」やF・アルディの懐メロ「恋の季節」等がキーアイテムとして機能する。主人公が高校時代から書いているSF小説――救世主ゾルタンのヒーロー譚がメタ的に作用する設計もしっかり効いてる!

この短評にはネタバレを含んでいます
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