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スーパーマン (2025):映画短評

2025年7月11日公開 129分

スーパーマン
(C) & TM DC (C) 2025 WBEI

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

くれい響

あの『スーパー!』から15年!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

「もう、みなさんご存じですよね?」と言わんばかりに。初期設定を端折る大胆な構成から、明らかにジェームズ・ガン監督作。パロディといえる『スーパー!』から15年後に、本家を手掛けるサクセス道にも泣けてくるが、本作でも「危険人物としてマスコミ報道されるヒーローの姿」を描写。ほかにも、ロイド・カウフマンは登場しないものの、『GotG』同窓会ノリやスーパードッグ・クリプトの扱い、トゥーマッチなテーマ性も含め、徹底してジェームズ・ガン映画に仕上げたことに驚かされる。その分、『マン・オブ・スティール』好きは嫌悪感を抱く可能性が高く、観客が求める「スーパーマン」観が試される一本といえる。

この短評にはネタバレを含んでいます
大山くまお

弱い者を助けるからヒーローなのだ

大山くまお 評価: ★★★★★ ★★★★★

ヒーローはすごい能力を持っていたり、敵と戦っていたりするからヒーローなんじゃなく、弱い者、苦しんでいる者、人の命を助けるからヒーローなんだ。そう高らかに宣言してみせた快作。当たり前のことを言っているだけのに、何度も涙が出そうになるのは、それだけ今の世の中がヤバいからだろう。ビッグテックの野望、他国への侵略と介入、移民の問題、報道の役割、若者を導く大人の責任など、政治や社会、倫理に関するサブテーマを盛り込みつつ、ヒーローアクションとしてきっちり成立させたジェームズ・ガンの手腕はお見事。しかし、劇場を出るとそこはスーパーマンのいない世界だと気づく。我々一人ひとりがスーパーマンになるしかないのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

これまでのスーパーマンとは明らかに違う!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 冒頭いきなりスーパーヒーローを敗者として提示してしまうのが、J・ガン監督らしくてニヤリ。これまでのスーパーマン映画にはなかった導入に嬉しくなる。

 戦闘スキルの強化に加え、現代風の世論操作でヒーローを追い込む敵役ルーサーの切れ者ぶり。ヒロイン、ロイスの行動的な姿勢。スーパーマンを囲む脇キャラの突き詰め方も面白く、魅入ってしまった。

 主人公の地球の親であるケント夫妻も、これまではシリアスキャラだったが、本作では愛嬌を感じさせる。ユーモアもガン作品らしくて高ポイント。どこか病的なルーサー像を作り出したN・ホルトの怪演にも唸った。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

サービス精神旺盛、てんこ盛りでややカオス

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

いろんなものがてんこ盛り。ジェームズ・ガンのこれまでの作品の要素、過去の「スーパーマン」映画やドラマへのオマージュ、アクション、ギャグ、次のDC映画への土壌作り。ザック・スナイダー版との違いは明確で、ビジュアルは明るくカラフル、雰囲気は楽しいのだが、脇役のストーリーラインをはじめあっちに行ったりこっちに行ったりで焦点がブレる。まあ、そこもガンらしいと言えばそうだし、動物好きとしては犬の登場シーンは断じて多過ぎはしない。コレンスウェットはスーパーマンにぴったりで納得。ニコラス・ホルトも楽しみつつ全力を尽くしているのは伝わってくるが、書かれたキャラクターが一面的で限界が感じられる。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

これ以上ない、スーパーマン俳優のハマリぐあい

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

デイビットは『Pearl〜』の映写技師役で多くの人が完璧なスーパーマン役と確信したはずだが、その確信を遥かに超え、容姿、動き、演技すべて完璧で降臨。そこだけで延々と楽しめ、両親の前で息子に戻る姿に共感必至。監督が監督なのでワンコ好きへのサービスが全編に溢れまくり、微笑ましい。

DCユニバース再始動の意味で、ヒーローの活躍が分散するのは必然だが、そのせいか、全体にやや盛り過ぎ。中盤から急ぎ足でポイントが定まらない感が濃厚に。いくつかの重要シーン、たとえば人々が迎える危機でじっくり「貯(た)め」の演出があれば、もっと胸が熱くなったのに…とも。超人の肉体的優美さ、ドラマのロマンティックさも限定的。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

ど真ん中投げられた魔球

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

常にメインストリームに対してのカウンター的な作品を撮り続けてきたジェームズ・ガンが初めて文字通りの王道を撮ったのが本作。結果として王道としてど真ん中に剛速球を投げつつも、それは予想もしない変化をする魔球となりました。これまでさんざん語られてきたことを前提にオリジンや細かい設定の部分をバッサリ切り取り、一気に物語が始まるというのも”スーパーマン映画”としては非常に新鮮でした。今回から始まるDCユニバースですがちょっと予想が付かない方向に進みそうです。これまで狂言回しに近かったレックス・ルーサーでしたがニコラス・ホルト版は一味違って良かったです。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

ジェームズ・ガンが描くとスーパーマンはこうなる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジェームズ・ガン監督が、スーパーマンという題材に正面から取り組み、しかも、徹頭徹尾、ジェームズ・ガンならではの映画に仕上げる。どのシーンを見ていても、ガン監督の"俺が描くとスーパーマンはこうなる"という高らかな宣言が聞こえてくる。

 ガン監督によるスーパーマンの解釈も興味深いが、加えて強い印象を残すのは、この監督のいつものギャグ感覚がたっぷり盛り込まれていること。ガン監督は、彼にとってのスーパーマン的なるものの本質を追究しながら、自身のクリエイターとしての根幹にも向き合うことになったのではないか。

 2025年の今だから描かれる、新たなスーパーマンの出現を目撃しておきたい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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