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ノスフェラトゥ (2024):映画短評

ノスフェラトゥ (2024)

2025年5月16日公開 132分

ノスフェラトゥ
(C) 2024 Focus Features LLC. All rights reserved.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

村松 健太郎

上質なゴシクホラー

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

”あの!!”『ノスフェラトゥ』をロバート・エガーズ監督がリメイク。それだけでも一見の価値があると言えるのですが、映画は非常に上質で見応えのあるゴシックホラーとなっていました。賞レースも賑わした美術・衣装に関しては本当にどこまでが作り物でどこからが実際にあるモノなのか区別がつかないほどの豪華で念の入ったものでした。『IT/イット』でペニーワイズを怪演したビル・スカルスガルドが今作でも特殊メイクによって見事なオルロック伯爵を熱演。このジャンルの新たな担い手になってくれたと思います。ヒロインのリリー=ローズ・デップ、そしてエガース監督組と言えるウィレム・デフォーの好演も光ります。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

月の微細な光。映像美に酔う

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 深い森、古い城、月の微細な光、一瞬だけ壁に出現する奇妙な形の影。19世紀末の象徴主義絵画を思わせる、ほとんどモノクロに違い映像が別世界に誘う。伯爵の城のシーンまでの映像が質感も構図もすべてが完璧で、ただ恍惚とするのみ。その映像の味わいは、場面が街に戻ると薄れてしまう。

 ヘルツォークも挑んだ、ムルナウの1922年の名作映画に、ロバート・エガースが挑戦。撮影は監督と『ウィッチ』『ライトハウス』でも組んだジェアリン・ブラシュケ。吸血鬼の暗喩は従来のまま、ヒロインの意識を現代的に脚色。リリー=ローズ・デップ、アーロン・テイラー=ジョンソンの古風な容貌が、古典幻想譚によく似合う。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

美術品のような世界で、俳優たちのリミッター超え演技に震える

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

オリジナルへのリスペクトも感じる、漆黒の闇と、ロウソクのごとく淡い灯が作り出すレンブラント絵画的人物の陰影で、その世界に吸い込まれる異様な感覚。それがラストまで続く。荘厳なサウンドも含め映画館で体験すべき一作。
ショック描写、19世紀ヨーロッパの不気味さの配分も的確。一部わかりづらいシーンも、謎を高めるうえで意図的か。
吸血鬼役のビル・スカルスガルドは『IT/イット〜』のペニーワーズ役も上回る戦慄を誘い、声だけでも鳥肌が立つレベル。さらにリリー=ローズ・デップの白目を剥き、ありえない体勢で身をよじらせる演技は、「エクソシスト」映画の歴史でも最強インパクト。もはや大スターの娘という形容は不要だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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