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トゥギャザー (2025):映画短評

2026年2月6日公開 101分

トゥギャザー
(C) 2025 Project Foxtrot, LLC

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

くれい響

共依存カップルの超展開ラブストーリー

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

さすがは、ディズニー的クリーチャー愛がハンパなかった13分の短編『REBOOTED』が高く評価されたマイケル・シャンクス監督。『遊星からの物体X』オマージュといえるオープニングからゾクゾクさせ、実生活でもパートナーな俳優が演じる倦怠期なのに共依存カップルの超展開ラブストーリーへと飛躍していく。ボディホラーとしての要素はもちろん、謎の地下洞窟に、行方不明者、はたまたカルト教団といった不穏な要素をブチ込んでくるサスペンス演出も巧いが、痛みの表現など、かなり悪趣味。なのに、『サブスタンス』同様、なんだかんだブラックユーモアとして着地させるセンスの良さは評価したい拾いモノだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

誰かを愛する“生物”として、この狂気の情景は理想の姿かも

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

これから起こる目にもおぞましい状況を、まず人間以外の生き物で提示し、心を激しくざわめかせる。その冒頭の挑発力に支配されれば、主人公2人の肉体が“トゥギャザー”されるプロセスに素直に震撼し、興奮できるだろう。

クローネンバーグとも一味違う粘着感。そして脳が麻痺しそうになる痛みの感覚。観ながら抵抗を感じながらも、やがて、愛する相手とすべて一体になろうとする生物の本能が伝わってきて、そこにこそ真の恐怖を発見。「愛し過ぎ=危険」という裏テーマ。これは、過去のどんな映画とも異なる新鮮な体験だった。
現象の原因をたどる部分は、ややありがちな流れも、ラストのオチは作品のアイデンティティを力強く示して爽快。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

ブリーとフランコの相性はさすがに完璧

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

 がっかりさせられることもあり、別れたほうがいいのかと迷っても、長いつきあいで一緒にいないのはもはや想像がつかない。なんだかんだ言って、やはり運命の相手なのか。主人公ふたりのそんな関係が最初にしっかり描かれ、共感させる上、私生活で夫婦のフランコとブリーの相性は最高。そのおかげで、その後に起きる極端な状況にもすんなり入っていける。目をつぶりたくなる怖いシーンもあるものの、映画を引っ張るのは、残酷なビジュアルより、緊張感、絶望など心理面。ハードコアなホラーが好きな人にとって、その部分はやや物足りないかもしれないが、クローネンバーグを思わせつつユーモアも交えたこの独特なトーンは楽しめるのでは。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

この肉体の異変は、ふたりの愛を試す試練か!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 『サブスタンス』はボディホラーの新たな可能性を切り開く傑作だったが、こちらも負けてはいない。ラブストーリーを主軸にしながら、肉体的な怪現象を叩きつけてくる。

 長年付き合ってきたカップルの間に生じる隙間。共依存による相手への甘え。ふたりの主人公(とりわけ男の方)のクズっぷりを小出しにしつつ、彼らのすれ違いを丁寧にたどっている点に魅了される。ボディホラーの要素は彼らに課せられる試練でもあるのだ。

 ラブストーリーと密接に結びついている点で、ある意味、監督が影響を受けたという『ザ・フライ』の変奏曲。結末をどう見るかは観客の主観に委ねられるが、個人的には唸らされた。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

よくある男女関係の不安と迷いをボディホラーに昇華させた怪作

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 田舎に引っ越した倦怠期の男女カップルが、近くの森で迷い込んだ洞窟の水を飲んだところ、やがて身体に異変をきたしていく。『遊星からの物体X』や『ヘルハザード/禁断の黙示録』を彷彿とさせるドロドロ・グチャグチャのボディホラー。どことなくラヴクラフト的な香りも漂うのだが、しかし物語の土台となるのは純然たるラブストーリーだ。この人と結ばれたい、一心同体となって添い遂げたい!という願望と、この人で本当に良いのか、独身の自由を犠牲にする覚悟はあるだろうか?という不安。そんな誰でも一度は経験するだろう感情のせめぎ合いを、もはやブラックコメディの域に達したようなゴア描写で描く怪作である。

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平沢 薫

ボディホラーな心理サスペンス、しかも笑える

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ボディホラーで、心理サスペンスでありつつ、しかもコメディなところが見事。

 物語の底には、根源的な感情が2つ潜んでいる。まず、人間は身体無しには存在できないが、自分の身体を完全に自分の意志に従わせることはできない、という根源的な恐怖。もう一つは、人間はたとえ長く続いてきた恋人でも、自分ではない人間のことを全面的に信頼することはできないのではないか、という根源的な疑惑。そんな物語のカップルを、実生活では結婚9年目の夫婦、アリソン・ブリーとデイヴ・フランコが演じ、一緒に製作に参加しているのも妙味。

 監督・脚本のマイケル・シャンクスは、アダム・マッケイと組む新作も楽しみ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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