シネマトゥデイ

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真の善意の体現者を描き本作に拮抗しうるヒーロー映画を待望する

  • ジョーカー
    ★★★★★

    共感と嫌悪が入り混じるが、紛れもなく21世紀初頭の世界を象徴する傑作だ。不寛容な社会で醸成される悲哀と絶望。愛など枯れ果てジョーカーが生まれるべくして生まれる様が、説得性を持ちつつ丹念に描かれる。バットマンとジョーカーが表裏の存在であることへの示唆は興味深い。ふと、敗戦直後の混沌を背景に、刑事と犯人に分かれた運命に言及する黒澤明の『野良犬』の台詞「世の中のせいにして悪い事をする奴はもっと悪い」を想起した。モラルで均衡を保つ状況を遥かに超える荒みきった今。真の善意を体現する者を描くことこそ、本作と現代社会へのアンサーだ。映画人は『ジョーカー』に拮抗しうるヒーロー映画を生み出さなければならない。

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清水 節

清水 節

略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX、ニッポン放送●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況: ●「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」劇場パンフ寄稿●「ULTRAMAN ARCHIVES」企画構成取材●「シド・ミード展」未来会議ブレーン、図録寄稿●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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