サンキュー、チャック:映画短評
ライター2人の平均評価: 4.5
絶望なのになぜか軽やかでチャーミングな一本
これまでもスティーブン・キング原作を映画化してきたマイク・フラナガナン監督による非常に風変わりな一品。これはネタバレでもなんでないので言ってしまいますが、劇中で世界というか地球は滅亡に瀕しています。そこから、チャックという男の物語が時間を巻き戻す形で描かれていきます。このチャックを演じたのがトム・ヒドルストン。こういうタイプのキャラクターもできるんだと感心してしまいました。守備範囲が拡がったように思います。脇では何と言ってもマーク・ハミル。素敵なおじいさまを好演してます。絶望に瀕しているはずなのになぜか映画は終始軽やかという不思議な感触がいつまでも残ります。
不意打ちのごとき名作!
やたらと数多いS・キング原作物だが、これは久々の極上級。“世界の終わり”から始まる逆時系列の全三章は、ナレーションの滑らかな運びを軸とした抜群の語り口により、人生を繋ぎ直す祝福の寓話として輝く。ホイットマンの詩やカール・セーガンの宇宙カレンダーといった細部の豊かさ。そしてT・ゴードンのドラムと、M・ムーア(『ラ・ラ・ランド』)の振付による路上ダンスが、トム・ヒドルストン演じるチャックの“歓喜の瞬間”として眩しく立ち上がる。
フラナガン監督の丁寧な仕事は出色で、ミュージカル映画『カバーガール』の引用も鮮やか。宇宙と人生の連関に想いを馳せる不思議な感動と抒情に包まれる。余りに良い出来で驚いた!





















