2020年 第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門18作品紹介(2/3)

第77回ベネチア国際映画祭

『ノットゥルノ(原題) / Notturno』

ノットゥルノ

製作国:イタリア、フランス、ドイツ
監督:ジャンフランコ・ロージ

【ストーリー】
シリア、イラク、クルディスタン、レバノンの境界。内戦や独裁、過激派組織ISの攻撃といった問題を抱える地域に暮らす人々の日常を映し出す。

【ここに注目】
ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』が第70回本映画祭でドキュメンタリーとして初の金獅子賞を受賞、さらに『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』では第66回ベルリン国際映画祭でもドキュメンタリーとして初の金熊賞に輝いたイタリア人ドキュメンタリー作家のジャンフランコ・ロージ。中東の紛争地帯で3年をかけて撮影されたという本作で、再びの快挙となるか。

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『イン・ビトウイーン・ダイイング(原題) / In Between Dying』

製作国:アメリカ
監督:ヒラル・バイダロフ
キャスト:オルハン・イスカンダリラナ・アスガロバ

【ストーリー】
「本物」の家族とは何なのか、寿命が1日しかない中でその答えを探し続ける若い男性。ついに彼は、これまでずっと自分が生きてきた場所で「愛」を見つけるのだが、時はすでに遅すぎて……。

【ここに注目】
第25回サラエボ映画祭の長編ドキュメンタリー賞受賞作『ホエン・ザ・パーシモンズ・グリュー(英題) / When the Persimmons Grew』で注目を集めた、アゼルバイジャン出身の若手監督・脚本家ヒラル・バイダロフによる新作。同じくアゼルバイジャン出身の俳優オルハン・イスカンダリが、主人公の青年を演じている。イスカンダリにとって、バイダロフ監督とは2018年の主演映画『ヒルズ・ウイズアウト・ネイムズ(英題) / Hills Without Names』以来の再タッグとなる。

『レ・ソレレ・マカルソ(原題) / Le Sorelle Macaluso』

製作国:イタリア
監督:エンマ・ダンテ
キャスト:ヴィオラ・プサテリエレオノーラ・デ・ルカ

【ストーリー】
イタリア・シチリア島のパレルモで暮らすジーナ、セティ、マリア、カティア、リア、ピヌッチャ、アントネッラの7姉妹。彼女たちの胸には、子供時代のある夏の日の思い出が刻まれている。海にやって来た彼女たちは太陽を体いっぱいに浴び、素晴らしい時間を過ごすが、愛すべき末娘のアントネッラを悲劇が襲う。

【ここに注目】
舞台演出家としても活動し、『シチリアの裏通り』では自ら主演・脚本・監督も手掛けたエンマ・ダンテによる家族ドラマ。以前監督が友人から聞いた祖母の話を基に、イタリア・パレルモで懸命に生きるごく平凡な家族の人生の光と影を描写する。コンペティション部門に選ばれた18作品のうち8本を女性監督が占め、コンペ部門の女性監督比率が際立つ中で、イタリアの女性監督による本作が、どこまで賞レースに食い込めるのかに注目が集まる。

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『ザ・ワールド・トゥ・カム(原題) / The World to Come』

ザ・ワールド・トゥ・カム

製作国:アメリカ
監督:モナ・ファストヴォールド
キャスト:キャサリン・ウォーターストンヴァネッサ・カービー

【ストーリー】
19世紀半ば、アメリカ東海岸の辺境で、孤立しながら苦しい生活を送っている2組の隣人夫婦。雄大かつ過酷な自然は、彼らを精神的にも肉体的にも、極限まで追い込んでいく。

【ここに注目】
ノルウェー出身の女優モナ・ファストヴォールドがメガホンをとり、作家ジム・シェパードによる同名小説を映画化したヒューマンドラマ。『ファンタスティック・ビースト』シリーズのキャサリン・ウォーターストン、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』などのヴァネッサ・カービー、オスカー俳優ケイシー・アフレックのほか、ファストヴォールド監督の『ザ・スリープウォーカー(原題) / The Sleepwalker』に主演したクリストファー・アボットが豪華共演した。アフレックにとってはプロデュースも兼任した意欲作だ。

『ラバーズ(英題) / Lovers』

ラバーズ

製作国:フランス
監督:ニコール・ガルシア
キャスト:ピエール・ニネステイシー・マーティン

【ストーリー】
フランス、パリ。学生のリザは麻薬の売人をしているシモンと交際していたが、彼の顧客が過剰摂取で死亡したため、シモンはフランスを離れる。数年後、夫のレオとインド洋でバカンスを過ごしていたリザはシモンと再会。二人の運命が再び交錯していく。

【ここに注目】
愛と哀しみのボレロ』『ギャルソン!』などの女優として知られ、監督としては『ヴァンドーム広場』でカトリーヌ・ドヌーヴに第55回本映画祭で女優賞をもたらしたニコール・ガルシアによるスリラー。『グッバイ・ゴダール!』などのステイシー・マーティンと『イヴ・サンローラン』などのピエール・ニネ、『ピアニスト』などのブノワ・マジメルが共演。ガルシア監督が「この3人は最高だった」という演技に期待したい。

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『ライラ・イン・ハイファ(原題) / Laila In Haifa』

ライラ・イン・ハイファ

製作国:イスラエル、フランス
監督:アモス・ギタイ
キャスト:マリア・ズレイクカウラ・イブラヒーム

【ストーリー】
イスラエル・ハイファの港町。町にあるナイトクラブは、イスラエル人とパレスチナ人が親しくなることのできる最後の場所。ある夜、5人の女性がそこを訪れる。

【ここに注目】
イスラエルのアモス・ギタイ監督が描くのは、イスラエルとパレスチナの5人の女性たちが織りなす運命の一夜の物語。国際映画祭の常連となったギタイ監督は、ベネチア国際映画祭コンペティション部門では2015年の『ラビン、ザ・ラスト・デイ(原題) / Rabin: The Last Day』以来の7度目のノミネート。本作でついに金獅子賞受賞となるか、注目だ。

『ウンド・モルゲン・ディ・ガンツ・べルト(原題) / Und Morgen Die Ganze Welt』

ウンド・モルゲン・ディ・ガンツ・べルト
(C) Seven Elephants, Oliver Wolff

製作国:ドイツ、フランス
監督:ジュリア・フォン・ハインツ
キャスト:マラ・エムデノア・ザーヴェトラ

【ストーリー】
大学で法律を学ぶルイサは次第に右傾化する国を憂い、この国は変わるべきだと信じて、友人たちと共にデモに参加する。彼女は政治活動を続ける中で、同じ志を持つカリスマ的なリーダーのアルファや、彼の親友レナーらと知り合い、次第に暴力的な抵抗運動にも参加するようになる。

【ここに注目】
『ハンナズ・ジャーニー(英題) / Hanna's Journey』などで知られる、ドイツ・ベルリン生まれのジュリア・フォン・ハインツ監督による人間ドラマ。右派ポピュリズムの嵐が吹き荒れるヨーロッパにおいて、ナチスドイツの負の遺産を抱えるドイツも例外ではなく、その流れに反対する若者たちの必死の抵抗を描き出す。脚本家としても活動する気鋭の女性監督による、ドイツの現実を反映した本作が、ベネチアでどのように評価されるのか楽しみだ。

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